医系大への羅針盤 医歯薬進学

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Close Up《未来の医療人をつくる場》

  • クロースアップ2018-09-14 20.09.14
  • 2018.09.21
  • 第3回 日本医科大学
  • 伝統と自由な校風が 「進化する意志」を育む

    日本医科大学学長 弦間 昭彦

     

    新カリキュラムの導入で変化の時を迎える日本医科大学

    1876 年、越後長岡藩の軍医だった長谷川泰が創設した「済生学舎」を前身に持つ日本医科大学は、140 年以上の歴史と伝統を持つ日本最古の私立医科大学だ。野口英世や小口病の発見者である小口忠太を輩出し、また、女性が働くことが一般的でなかった明治時代に130 人余の女性医師を世に送り出すなど、革新的で自由な校風で知られる。“ 克己殉公” を旨とし、新たな進化を遂げる日本医科大学の目指すところを、弦間昭彦学長に聞いた。

     

    「愛と研究心」を尊び、世の人々のために尽くす

     日本医科大学の学是は「克己殉公(己に克ち、広く人々のために尽くす)」。明治以来の建学の精神「済生救民(貧しくして、その上病気で苦しんでいる人々を救うのが医師の最も大切な道である)」を実現すべく、数多くの医師や医学者を育成、輩出してきた。

     

     同大学が大切にしているのは、医師の心のありようだ。医療技術の高さはもとより、患者の立場や気持ちに寄り添えるような医師を育てることに重点を置いている。教育理念を「愛と研究心を有する医師、医学者の養成」と表明しているとおり、“愛”ある医師や医学者を育てることに注力しているのだ。

     

     卒業者たちが一様に口にするのは「自由な校風」。学年や専門を越えたコミュニケーションが盛んで、上下の垣根がない。たとえば「学生アドバイザー制度」は1学年2名ずつ、6学年の学生で編成されたグループに、教員らが専門のアドバイザーとして付き、定期的に会合を開くユニークなシステムだ。グループは、学校側がランダムに分けるので、価値観が異なる人とも自然に交流が図れる。時にはOB やOG が参加することもあり、その関係は卒業後も続くという。

     

    ICT の推進で能動的な学習を支援

     2023年は、世界中の医学を教える学校にとって大きなターニングポイントとなる。なぜならアメリカの医師国家試験の受験資格を審査するECFMG が、この年以降は医学教育の国際的認証を受けた医科大学・医学部の卒業生以外には受験資格を認めないとしたからだ。現在、日本の各医科大学・医学部もWFME(世界医学教育連盟)のグローバルスタンダードに沿った教育プログラムへの改革を進めており、すでに日本医科大学はそれに対応した新しいカリキュラムで学んでいる学生が5年生になっている。

     

     一例として挙げられるのは臨床実習の大幅な増加。これまで50週だった臨床実習が70週に増え、内容も従来の見学型からより実践に近い参加型に変わった。実習の段階で診療や治療に参加し、実践的な知識や技術、経験を積めるため、卒業後の初期臨床研修においてスムーズに現場に入ることができるようになった。

     

     一方で、臨床実習の増加によって講義の時間が圧縮され、学生の負担は増えた。そこで求められるのは、より効率的に学べる環境の整備である。

     

     同大学が早くから取り組んでいるのが、ICT(情報通信技術)による学習支援システムの整備だ。ネット上で予習復習ができ、講義内容も事前に把握できる。e ラーニングのコンテンツも充実しており、自前のスタジオも完備した。

     

     特徴的なのは*GPA が3.0以上、学年でも上位約20人の成績優秀者は、次年度の授業への出席が免除される点だ。ICT を活用すれば学校の授都内・千駄木の大学に隣接した附属病院は難しい先進医療を提供する病院だ。千葉県印西市にある北総病院は地域の中核病院であり、またドクターヘリを導入して重症外傷患者を受け入れる救命救急にも特徴がある。多摩永山病院は地域の高齢化に対応する医療が求められている。武蔵小杉病院は人口増加地域にあるため、小児や周産期医療の充実が求められている。


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