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2017.03.02

医学部の入学定員平成29年度は158人増員

平成29年度の医学部入学定員は、別表のとおり158人の増員となった。これによって医学部の総定員は9,420人になる。増員の内訳は、国立大が1大学で2人増(地域枠増2人、研究医枠増0人、歯学部振替増0人)、私立大が5大学で156人増(大学新設増140人、地域枠増16人、研究医枠増0人、歯学部振替増0人)。地域枠は地域の医師確保のための定員増で、都道府県が奨学金を設け、大学が地域医療を担う意志を持つ者を選抜し、地域医療等の教育を実施するもので、当該大学の所在する都道府県の受験生が対象の県内枠と、ほかの都道府県からの受験生を受け入れる県外枠がある。研究医枠は優れた教育研究資源を活かし研究医養成の拠点を形成しようとする大学が他の大学と連携し、優れた研究医の養成・確保に一貫して取り組む定員増。歯学部振替増は、歯学部を併せて有する大学が当該歯学部の入学定員を減員する場合の定員増で、これまでに地域枠は610人、研究医枠は40人、歯学部振替枠は44人の増員が認められた。
 
医学部の入学定員は、平成20年度に医師不足が深刻な10県、医師養成総数が少ない2県等で合わせて168人の増員が認められ、平成21年度は全都道府県で合わせて693人の増員が認められた。平成22年度から25年度は地域の医師確保等の観点からの増員で、平成22年度360人増、平成23年度77人増、平成24年度68人増、平成25年度50人増、平成26年度28人増、平成27年度65人増、平成28年度28人増、平成29年度18人増となり、平成19年度に7,625人だった総定員が平成29年度には1,555人増となり、また、平成28年度に東北医科薬科大学、平成29年度には国際医療福祉大学に医学部が増設されたことから募集枠が大幅に広がった。単純計算で定員100人の医学部が新たに約17大学以上増設された計算になる。
 
平成29年度に増員したのはいずれも地域枠で、国立の長崎大が長崎県地域枠2名、私立の埼玉医大が埼玉県地域枠1名、順天堂大が埼玉県地域枠2名・静岡県地域枠5名、日本医大が埼玉県地域枠2名、川崎医大が静岡県地域枠5名・長崎県地域枠1名。各大学の地域枠増員に係る取組の概要は次のとおりとなっている。
 
●長崎大
福祉系大学とも連携しながら、入学当初から地域包括医療・ケアの現場で学ぶ網羅的・体系的なカリキュラムを提供しており、4年次からの臨床実習では離島・へき地医療実習、本土での地域病院実習と地域包括ケア実習をすべて必修としている。平成28年度から初期臨床研修マッチ率が低迷し、医師不足が深刻な県北部病院で臨床実習を開始した。今後は県内全域での地域医療教育へと発展させ、より広域的に質の高い教育を行う予定である。
 
●埼玉医大
低学年における早期体験実習(障害者・高齢者医療を担う地域の関係病院での実習)、行動科学・キャリア教育、調査解析・地域体験実習、地域基盤型専門職連携教育(地域医療・チーム医療に関する講義・実習)、および高学年における地域の学外施設における診療参加型実習を段階的に行い、それらの教育を通して、地域医療に熱意と理解を持ち、プロフェッショナリズムを備えた優れた臨床医の育成を目指す。
 
●順天堂大
地域枠学生については、本学独自のカリキュラムを策定し、小児科・産婦人科・救急・地域医療等の各領域で実習を行う。6年次には将来の進路となる地域医療等の診療を体験し、初期および後期臨床研修に繋がる学生インターンシップを行うなど、6年間を通じた実習を実施する。また、地域枠卒業生との情報交換会を開催し、地域医療の現状やキャリアプランについて教員と卒業生が一体となり、きめ細かく指導する体制となっている。
 
●日本医大
本学では、地域医療実習を入学後から段階的・有機的に関連付け、効果的に実体験している。1年次、2年次「医学実地演習」では、地域医療を担う病院や介護・福祉施設での体験実習を行っている。3年次「臨床医学総論」では、医師会や家庭医の協力を得て地域医療・在宅医療を学ぶ。6年次「選択臨床実習」では、地域医療の現状や課題、必要性等を学ぶ。地域枠学生は別途、地方自治体における体験実習の機会も設けている。
 
●川崎医大
1年次、2年次の総合福祉施設や附属病院での早期体験実習を通し、介護・福祉への理解を深めるとともに「良医」を目指す姿勢を学ぶ。4年次は地域医療・在宅医療等の講義を受講、5年次、6年次の臨床実習では救急車同乗実習等の救急現場の実際、県内外の地域医療機関での医療の実態や社会のニーズと地域医療とそれを担う医師のあり方を学び、地域医療に貢献できる「良医」としての心構えを擁立する。地域枠学生には別途、学年縦断の「地域医療ゼミ」や特別講義、地方自治体による研修の機会を設けている。
 
 
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