医系大への羅針盤 医歯薬進学

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学校紹介

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  • 2017.07.24
  • 北里大学薬学部
  • 基礎と臨床を融合した「次世代の薬学」を
    生命科学の総合大学として恵まれた教育環境を誇る

     

    生命科学の総合大学として、北里大学は薬学部・医学部・看護学部・医療衛生学部・理学部・獣医学部・海洋生命科学部の7学部15学科を擁している。母体は、わが国近代医学の先駆者・北里柴三郎博士が設立した北里研究所。昭和39年に開設された薬学部もそのすぐれた伝統を受け継ぎ、基礎薬学分野の研究は世界でもトップレベル。また「日本におけるパイオニア」と呼ばれる臨床薬学分野でも、常に最先端の教育・研究に取り組んでいる。

    最先端の基礎研究を土台に高度な臨床薬学教育を実践

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    わが国近代医学の先駆者・北里柴三郎博士が設立した北里研究所創立50周年を記念して、北里大学は1962年に創設された。博士が生涯を通して示した「開拓・報恩・叡智と実践・不撓不屈」を建学の精神とし、人材育成の柱としている。

    1964年に開設された薬学部にも、その精神はしっかりと受け継がれ、最先端の基礎研究を土台とする高度な臨床薬学教育を実践している。

    「臨床薬学のパイオニアである本学部は、4つの附属病院薬剤部に薬学部教員を配置し、さらに薬剤師、医師、看護師など様々な医療職の支援も受けて、質の高い臨床薬学教育を実践しています。

    一方、本学部には、北里柴三郎博士の精神を受け継いだ、基礎研究重視の伝統があります。特に、生命創薬科学科では、大学院の修士および博士後期課程までを視野に入れた教育・研究を展開します。世界レベルの研究によって現代医療に貢献するとともに、臨床の課題を基礎研究で解決することによって、臨床薬学教育・研究をさらに発展させる役割を果たすことが期待されています」

    と本間浩薬学部長は語る。

    ノーベル生理学・医学賞を受賞

    そうした研究重視の気風のもと、薬学部教授も務めた大村智北里大学特別栄誉教授が、2015年に感染症治療薬に対する貢献でノーベル生理学・医学賞を受賞したことは、実学の精神にもとづく研究が現在も息づく証といえよう。

    大村特別栄誉教授は、年間3,000の土壌サンプルを採取・分析して40年余。その研究は、土中の微生物が生産する有機化合物を創薬に活用すること。そして、土壌の微生物をもとに開発した「イベルメクチン」が、アフリカや中南米に蔓延する感染症、オンコセルカ症の特効薬になることが判明。

    オンコセルカ症は、失明の危険をおよぼす難病だが、「イベルメクチン」は絶大な効果を発揮し、現在、年間約3億人をその脅威から救い続けている。

    北里大学には、大村特別栄誉教授のように情熱をもって生命科学を探究し続ける研究者が結集している。

    入学時から始まる学科独自のカリキュラムに沿った学習

    その北里大学薬学部には薬学科(6年制)と生命創薬科学科(4年制)の2学科が設置されている。

    2学科の違いをひとことで言えば、薬学科は薬剤師国家試験の受験資格が取得できる薬剤師養成を、生命創薬科学科は大学院までスムーズに研究が続けられるため、研究者育成を主な目的とした学科といえるだろう。

    例えば、薬学科は臨床系の講義・実習が必修となり、生命創薬科学科では選択科目となる。一方、基礎系の講義・実習は生命創薬科学科で必修になる、といった具合だ。

    病院や大学など「オール北里」の力を生かした薬学科の教育

    高度化する医療の現場、医薬分業の進展による医薬品の適正使用や薬害防止など、薬剤師の責任はますます大きくなっている。

    6年制の薬学科ではこうした社会的要請に応えられる、高度な専門能力を持つ「次世代の薬剤師」の養成を目標としている。

    そのため、十分な基礎教育で化学、生物学、物理学など基礎薬学の知識を身につけ、それを臨床に応用できる力を養う体系的なカリキュラムを用意。その後、充実した事前実習を経て、北里大学の4つの附属病院を中心に充実した実務実習を経験し、実践力を磨く。

    1年次から配置される臨床薬学系科目のほとんどに、附属病院の薬剤師や医師が教員として関わっているのも北里大学薬学部の特徴。医療の現場と学部教育がほぼ直結した環境のため、授業や実習では最新情報や具体例が豊富に提供される。

    さらに臨床現場で働くスタッフが薬学部の教育に深く関わる責任ある教育体制を生かして、実務実習まで一貫した指導が受けられる点も大きな魅力だ。

    例えば1年次に早期体験学習として病院見学を行い、3年次には薬剤師の役割について学ぶ授業の1つとして、薬剤師や医師の指導による病院見学実習を経験。卒業までに、何度も医療の現場に触れる機会を設けている。

    この現場での経験と授業で得た薬物治療の知識をまとめ、病院・薬局実習への準備として4年次に「事前実習」を履修。病院内に設けられた薬学部の実習施設も利用して、薬剤師の仕事を模擬体験する。

    こうした病院との連携に加え、生命科学の総合大学という北里大学の「総合力」を生かした教育も行われる。

    その1つが、薬学科6年次の「オール北里チーム医療演習」。薬学部、医学部、看護学部、医療衛生学部と2つの専門学校の学生が約1,000名参加する一大イベントだ。10名程度のチームに分かれ、それぞれが学んでいる職種の視点からチーム医療のシミュレーション演習を行う。

     
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    北里大学北里研究所病院
     

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    北里大学病院
     

    北里研究所の伝統を受け継ぐ生命創薬科学科のチャレンジ

    一方、現代の健康志向や薬学関連領域で求められる人材の多様化に応え、薬学に関する専門的知識と技能を持つ研究者・高度技術者を育てるのが生命創薬科学科で、特に北里の伝統である創薬科学・生命科学分野で活躍できる人材の育成を目指している。

    研究成果を社会に還元する精神のもと、感染症研究で貢献した北里研究所。その伝統を受け継ぎ、生命創薬科学科では基礎薬学分野での先進的な研究が生まれ、社会の様々な分野で評価されている。

    生命創薬科学科は、大学、研究所、企業等の研究者、臨床開発従事者、治験コーディネーター、行政関連分野の公務員など、薬学の知識を生かして社会の幅広い職域で貢献できる人材育成を目指しているが、卒業後大学院修士・博士後期課程でさらに高度な研究にチャレンジする道もある。4年制教育の時代から基礎薬学分野の研究室を卒業した先輩たちの大学院進学率は高く、高度な研究に積極的に取り組むのは北里の伝統ともいえよう。また、大学院におけるティーチング・アシスタント制度やリサーチ・アシスタント制度も整備され、大学院生への経済的支援も充実している。

    さらに、本学大学院薬学研究科と東京医科歯科大学、お茶の水女子大学、学習院大学の4大学大学院が連携して「学際生命科学東京コンソーシアム」を形成し、大学院教育を高度化する取り組みも始まっている。この取り組みは、文部科学省の「戦略的大学連携支援プログラム」(平成21~23年度)と「大学間連携共同教育推進事業」(平成24~28年度)に選定され、文部科学省からの助成を受けている。それぞれの大学の大学院における特色ある科目や研究を共有することで、幅広い視野を持った生命科学・創薬科学研究者を養成するのが狙いだ。実際、毎年延べ十数名の大学院生が他大学の講義を履修しており、将来は複数の大学院教員による研究指導も視野に入れている。

     
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    北里大学東病院
     

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    北里大学メディカルセンター
     

    高い薬剤師国家試験合格率

    薬剤師国家試験対策は学生がパソコンを使って自分のペースで学習できるe-Learningシステムを用意。これにより自宅からでもネット経由で国家試験の過去問題や問題を解いて実力を養うことができる。

    また6年次前期までに履修した薬学必修科目の総まとめとして、後期に「薬学総合演習」が開講され、領域間複合演習など国家試験に向けた総合力、問題解決能力など、より高度な応用能力を身につける。

    薬剤師国家試験も毎年好成績で、全国平均を上回る合格率を連続して達成している。そして薬学部の「入学から6年後に卒業して国家試験に合格する学生の割合」は全国トップレベルである。

    相模原キャンパスから白金キャンパスへ

    そんな北里大学には、首都圏に2つのキャンパスがある。1つは神奈川県相模原市にある相模原キャンパス、もう1つは東京都港区の白金キャンパスである。薬学部の学生は1年次を緑豊かな相模原キャンパスで、全7学部の学生と一緒に学校生活を送る。ここで同じ生命科学を学ぶ他学部の学生との交流を通して、コメディカル領域に対する理解を深めた後、2年次から白金キャンパスへ移ることになる。

    白金キャンパスはJR 山手線の内側、恵比寿からバスで7分、徒歩15分、渋谷からはバスで15分、地下鉄なら日比谷線広尾駅、南北線白金高輪駅からいずれも徒歩10分と、交通至便な都心に位置している。その割に、周辺には有栖川宮記念公園、自然教育園といった閑静な緑地、都立中央図書館や高輪美術館などの文化施設、さらに恵比寿ガーデンプレイスなど若者の人気スポットも多く控え、学校環境として申し分のない条件を備えている。

    キャンパスリニューアル進行中

    さらに、現在白金キャンパスでは薬学部校舎・北里本館建替新築工事を進めている。一昨年の4月に「薬学部新2号館」の工事が完了し、5月から使用を開始した。新2号館は地下1階、地上3階建てで、学生食堂と3つの大講義室、多目的ホールで構成されている。学生が学びやすく快適に過ごせる空間になるよう、ガラスを多用した明るい室内、木のぬくもりが感じられるデザインなどが特徴的だ。また、学生食堂も一新。運営は「銀座スエヒロカフェテリアサービス」に委託し、ステーキやハンバーグをはじめ「銀座スエヒロ」の一流の味を気軽に楽しむことができる。

    引き続き平成30年度の完成を目指して、白金キャンパスの建替新築工事を推進していく。今後は、地下2階、地上14階建ての高層棟や新白金図書館等を配置した低層棟、アリーナ棟を新たに建設する。建替新築工事の企画コンセプトは、「キャンパスライフの向上」及び「教育環境及び研究環境の向上」。この2つを達成することにより、北里の伝統・実績をもとに、基礎薬学と臨床薬学を融合させた幅広い薬学教育をさらに進化させていく。

    また、キャンパス内には薬学部の校舎の他、北里研究所病院、東洋医学総合研究所、北里生命科学研究所が緊密な連携を保ちつつ同居している。北里研究所病院は他の3つの附属病院、つまり、北里大学病院(相模原市)、北里大学東病院(相模原市)、北里大学メディカルセンター(埼玉県・北本市)とともに、薬学科学生の病院実習にも大いに活用されている。

     
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    事前実習風景
     

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    チーム医療演習風景
     

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    新2号館学生食堂
     

    一方で相模原キャンパスでは現在、薬学部をはじめ北里大学の医療系学部の学生と病院のスタッフが横断的に利用する、臨床教育の中心的な施設「臨床教育研究棟」を建築中。学部間・他職種間が学び合い、交流する場として北里大学の臨床教育、チーム医療教育がさらに充実したものになる。

    こう見てくると、北里大学薬学部で学ぶことができる学生は何とも恵まれているといえる。これから薬学を目指そうという受験生たちへ、本間浩薬学部長は、最後に、次のように語ってくれた。

    「薬剤師を目指す方も、創薬研究者を目指す方も、最終的には患者さんと、その家族の幸福を考えることが重要なのではないでしょうか。“くすり”を通して世の中の役に立ちたいという気持ちを持って、薬学を目指してください。」

     

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    問合せ先:北里大学薬学部事務室入試係 〒108-8641 東京都港区白金5丁目9番1号
    TEL:03-3442-6979
    薬学部ホームページ:http://www.kitasato-u.ac.jp/pharm/