医系大への羅針盤 医歯薬進学

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  • グラビア2_榎本-01
  • 2019.02.13
  • ドイツ留学でつかんだ自信で皮膚科医+αの自分を生きる
  • 偶然見かけたドイツ語学校の看板が新境地へ導いてくれた

    榎本 韻世(皮膚科医・医学博士)

     

    両親とも歯科医で、親戚にも医師や歯科医師がずらり顔を揃える一族に生まれ育った榎本韻世さん。幼い頃は引っ込み思案の少女だったそうですが、声楽の夢を傍らに置いて帝京大学医学部に進学、皮膚科医の道を歩みます。足に合わない靴の悩みがやがて彼女をドイツに導くことになるのですが、それはさておき、現在は医師としての顔だけでなく、自然医療や翻訳、アプリの制作まで、多彩な活動を繰り広げています。ご自身のスタイルを開花させた榎本さんに、ここに至るまでの道のりをうかがいました。

     

    命に別状はないけれど皮膚科が果たす大きな役割

    ーまず、先生のご専門についてお聞きしたいのですが。

    皮膚科の専門医です。一般的な皮膚科の治療だけでなく、在宅診療や外国人の診療、美容皮膚科医としても働いています。

     

    ー美容皮膚科というのは具体的にどのような診療をするのでしょう?

    ニキビの治療から、シミやシワの除去、それから、いわゆるアンチエイジングの分野まで広くカバーしています。皮膚のトラブルや悩みは、それ自体は命に別条がないけれど、生活の質という面で、時には人生を左右する大きな意味合いを持ちます。たとえば、ひどいニキビで悩んでいる患者さんに、「ニキビは青春のシンボル」「人は見かけじゃないよ」などとは言えませんよね。治療して肌がきれいになった患者さんは生きていくうえでの自信を取り戻します。表情が明るくなり、メンタルもポジティブに変わっていくのです。そういう患者さんの様子を見ると、この仕事をしていてよかったと思いますね。

     

    ー皮膚科を選ばれたきっかけは何だったのですか。

    私はもともと皮膚が弱くて、吹き出物が絶えず出ていました。どんな化粧品を使っても肌がかぶれたりして治らず、悩みの種でした。大学に入って皮膚科の担当教授に相談したら、「いま使っている化粧品は全部やめなさい」と言われ、実践してみたんです。そうしたら吹き出物がぴたりと治まって…それで、自分が皮膚の悩みを抱えていたことも医者として役立つのではと思いました。

     

    医師の適性の高さを見抜いた両親の勧めで医学部受験

    ー潜在的な睡眠障害の患者数はかなり多いのですか?

    はい。日本人は世界的に見ても睡眠時間が短いこともあり、2人に1人は睡眠に問題があると言われています。不眠も多く、約5人に1人に不眠症状があり、そして成人の14人に1人は睡眠薬を飲んでいるという調査結果があります。セルフケアを普及していく必要もあるし、かかりつけ医の先生にも理解を深めて頂く必要があると思います。

     

    ーそもそも医者になろうと思ったのはなぜですか。

    実家が歯科の開業医でした。父はインプラントを日本で先駆けて手がけた歯科医で、いまは大学で客員教授をしています。母も歯科医で、きょうだいや親戚にも医者、歯医者がずらりと揃っています。でも自分としては、口の中の治療だけではつまらないと感じていました。当時はやっていた『動物のお医者さん』というマンガが好きで、獣医がいいなと思ったり…。ピアノと声楽をずっと習っていて、音楽の道へ進みたいという希望も持っていました。

     

    ー結果として医師への道を選ばれました。

    やはり親や親戚に説得されたり丸め込まれたり、いろいろありました(笑)。医大へ行っても音楽は続けられるとか、医大に合格したら音楽もちゃんとした先生を付けてあげるとか。ただ、そのときに周りが揃って口にしたのは、「20年後にきっと良かったと思えるから医者になったほうがいい」ということでした。今となってはそのとおりで、私の適性や将来性を真剣に考えてくれたことに感謝したいです。

     


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