医系大への羅針盤 医歯薬進学

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  • 2016.11.15
  • 患者さんやスタッフや家族の幸せが わたしの幸せ
  • 家庭と仕事の両立に悩んだ末に、いま嚙みしめる「働く喜び」

    銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック
    院長 坂本紗有見(歯科医)

     

    銀座にクリニックを構えて11年目を迎える矯正歯科医の坂本紗有見先生は3人のお子さんを持つお母さん。仕事と家庭の両立に悩んだ辛い時期を乗り越え、お子さん全員を医歯学部に入れたスーパーウーマンですが、ご本人はいたって自然体です。
    仕事が長びき夜遅くのインタビューとなりましたが、終始笑顔で、これまでの苦労や喜びをありのままに語ってくださいました。

     

    お子さんは全て医歯学生

    ――この春、末の娘さんが医学部に入学されたそうですね。上の娘さんも歯学生、息子さんは医学生とのこと。どうすれば、3人も医歯学部に入れられるのでしょうか。

     私はご飯を食べさせたぐらいで、努力したのは子どもたちです。私自身、祖父も父も歯科医で、しかも一人っ子。背負わされたものが重くて辛かったから、子どもにも、医者になったほうがいいとか、なりなさいと強要した覚えはありません。ただ、どういう道に進んでもいいように、良い教育環境を与えようとは思ってきました。3人もいて学費も3倍なので、私が親にしてもらったとおりのことを自分の子にできる確証はなかったけれど、学力を上げることで、それなりの道しるべを付けてあげられるかな、とは、思っていました。


     

    ――お爺様、お父様、ご本人、上の娘さん、親子4代とも東京歯科大学だそうですね。

     そうなのです。でも、いわゆる「コネ」ではないですよ。特に祖父は、そのあたり厳格でしたから、当たり前ですけど、私の受験の時も何も助けてくれませんでした。東京歯科大学は、歯科医師国家試験で5年連続全国1位の合格率を誇ります。教員の努力もありますが、学生の頑張りも相当なもので、大学に入ってからが大変。長女も今、必死に勉強しています。
     ちなみに、私の父方の祖母の父親が眼科医なので、医歯学系という意味では子どもたちで5代目です。曾祖父・田原利(たはら・とし)は、同学創設者の血脇守之助と親しく、一緒に野口英世の学費を出すようなこともしていた人物のようです。曾祖父が東京歯科大学に縁が深かったことは、他界した父から聞いてはいましたが、詳細を知ったのは、創立100周年記念誌作成の際に大学の方からうかがいました。

     

    葛藤を経て歯科医に

    ――医療と縁の深い家系ですね。先生も幼少期から歯科医志望だったのですか?

     いえ、高校時代には葛藤がありました。ふと気づくと親に決められたレールに乗っている自分が嫌になって、ラジオのパーソナリティーや英語を使う仕事に憧れました。反抗期だったのでしょうね。

     

    ――親御さんは何と?

     「なりたいと思っていることで身を立てられるのか調べてみなさい」と言われました。そうなると明確な目標が見つからなくて、私、不良の真似ごとみたいな感じになったんですよ(笑)。それまでの私は、キリスト教系の幼稚園と教育大学附属の小中学校で温室育ちでした。それが急に、新設の公立高校に入って、中学時代から大人の遊びをしてきた子たちと出会い、とにかく遊ぶことが楽しくて。もう、勉強なんてしたくないし、歯科大なんて行ってられないや! という気分になってしまいました(笑)。

     

    ――それでも歯学部を受験された。

     好きなこともしたいけれど親の思いも裏切れない。小さい頃から歯科医になるように言われてきたからか、頭の片隅のどこかでは、やはり歯科大学に行かなければならない宿命を感じていたのだと思います。だから反発していても、家庭教師と塾の勉強はやめずに続けていたのです。

     

    ――いま振り返って、当時の決断をどう思いますか。

     本当に良かったと思っています。大学卒業後は母校歯科矯正学講座に在籍し、千葉病院で3年間の研修コースで学び、その後水道橋病院矯正歯科に4年勤務し、日本矯正歯科学会の認定医を取得しました。その間、病院に勤務しつつ、一般歯科医の先生のところでアルバイトをしたり、札幌の父が倒れた後は、実家の歯科医院に手伝いに週の半分を札幌で、半分を東京でと通ったりもしました。
     その頃は本当に息をつく間も休みもなくて。途中で結婚しましたが、その様な生活を第一子の出産直前まで続けていました。矯正を専門に選んだのは、月1回という働き方ができると聞いたからです。それなら、結婚して子どもを産んでも続けられると思いました。

     


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